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カラーとデザインからファッションまで、ちょっとした気づき

重ね着前提着こなしアウター

今年の秋冬ものを探しにショップに行くと、「中に着込めば冬も使えますよ」というセールストークを結構な割合で聞くのです。それは、ライトなアウター、マウンテンパーカとか裏地のないコートといったような、中綿のない春や秋向けに作られたアウターに対してのトークなのですが。

 

いえ、秋物の薄手のジャケットについて「フリースやインナーダウンを使えば冬もいけますよ」といったトークは以前からあり、それほど珍しいことではなかったと思います。が、今年は特にそれを強調したいみたいな。もうヘビーアウターは買わなくていいから、これだけ買っとけば秋冬春と使えますよ、とお得感をアピールまたアピール。

 

これは私が回った数件のショップに限った話なのか、アパレルショップ界全般にわたる話なのかはわかりません。が、まあ予想としてはかなりの範囲でこのようなセールストークがなされてるのじゃないかと思うのですが。

 

多分これには理由があるのでしょう。一つはショップの売り上げが厳しいとよく言われている状態。やっぱり景気、経済、不況というか低調というか、あまり売れないらしいですし、なんだかんだでファストファッションの影響も受けるだろうし。なので、アイテムの中でも値の張るヘビーアウターについては、売り上げもあまり見込めそうもない。ならば価格の手ごろなライトアウターでなんとかしようとなるのかも。


そしてダウンジャケットや厚手のウールコートなどは冬しか使えませんが、ライトなものなら春と秋と冬の3シーズン使えるという、お得感を強調できるアピールポイントがありますし。


そういった、ネガティブ寄りな部分での理由ですね。

 

そしてもう一つは、今やすっかりおなじみになった"ビッグシルエット"。そうです、今年ショップの店員さんが推すライトアウターはその多くがビッグシルエットにちなむもの。ビッグシルエットと呼ばなくても、ワイドにアレンジ、今のトレンドにパターンを調整した、といろいろな用語でもって伝えられる、つまり大きめの服なのです。


市場にあるライトアウターの多くがトレンドに合わせてワイドに作られているので、中に着込みやすい。また、サイジングについても、体にぴったりというかつてのブームは過ぎ去り、ゆったりとしたシルエットが気分なんてものですから、殊更ワイドに作っていないものでも、まあ普通に選べば中にジャケットの一枚ぐらいは挟めるだろうと。
ということで「着こみの文化」が今花開こうとしているのですね。

 

かつて冬服で好まれたものと言えば、Tシャツ一枚で中はOK、みたいな。防寒性抜群みたいな。
そんなアウター一枚あればこの冬越せますよ、って店員さん言ってませんでした?

 

それが今や、重ね着前提アウターにシフトしているんですね。

 

そうです重ね着です。ニットです。インナーダウンです。

 

そしてビッグシルエットといえばTEATORA。以前の記事にも取り上げましたが、TEATORAのコートも人気らしいですね。そのTEATORAにも種類があって中綿入りのものもあれば無いものもありますが、中綿が無いものについてもニットやら何やらいろいろ着込めば真冬もいけますぜ、ということらしいです。まあ、あれだけ大きけりゃなんだって中に着れますよね。ていうかインナーダウンどころじゃなくてもう、普通のダウンジャケット着た上からでも着れるでしょう、着たことないけど。

 

そうなればもう、ダウンジャケットで防寒はOKなのだからその上からTEATORA着るということで、もう防寒性には何の問題もないという、なんだこの繰り返しは。


後は見た目の問題、つまりイケてないダウンジャケットを持っているのなら、イマイチデザインが気にくわない中綿入りジャケットなどがあるなら、それを着た上からデバイスコート着たら全て隠せますよ、と。そして暖かいですよ、と。

 

いやそれぐらいビッグなんですTEATORAのデバイスコート。もし着たことがないなら、一度取扱店で試着してみるのをおススメします、とまでは言わないけど、興味ある方はどうぞ。

 

TEATORAの話ばかりになってしまいましたが、もちろん他にも重ね着前提を謳ったアウターありますよ。

 

今年はビッグシルエットとともにミリタリーもブームなんです。なのでミリタリーコートも大流行り。M-51とかM-47とかいったものをベースにしたコートをよりワイドにアレンジ。ブランド独自の解釈でアレンジしたコートも出ていますね。それらの多くは中綿なし。一枚ものですか。とにかく、じゃあこれは秋とか春用ですね、って店の人に言いますよね。すると返ってくる答えが”中に着込めば冬もいけます”。

 

ミリタリーコートですから無骨なデザイン。フードが付いたものやそうでないもの。人気のディテールM-65のものを取り入れたアウターなんかもあったりして、見た目カッコいいんです。で、ライトなアウターだからそれほど値段が高くはない。一着持っておきたいな。しかし秋とか春とかちょうどいい季節も短くなっている昨今、こんなカッコいいアウターもなかなか着る機会が少ないかもね。なんて話をしようものなら、すかさず”中に着込めば冬もいけます”。


洋服好きの人達の間では知られているのかもしれませんが、かつて人気あったモデルが復刻という形で登場しているのもこの秋見かけますね。通販サイトでも「復刻」「○○年ぶりに登場」ってなワードがあったりして。マウンテンパーカなどでもそういったものがあるのですが。試着していると、いろいろ説明をする店員さんのトーク中に思わず出てきた"中に着込めば冬もいけます"。

 

重ね着を前提としたアウターの売り方。「でも、本当に寒い日はダウンとか着ますけどね」って、付け加えるトーク。「まあ、ほとんどこれで大丈夫です」・・・・

その本当に寒い日が気になる。だから冬を越せるかどうかとか考えるんじゃないか、とか。

たまにある本当に寒い日、が、何日か続くこともあるからね。

 

オシャレ、着こなし、そんなものがどこかにぶっ飛んだ重ね着。ということもないか。
当然重ね着のオシャレはありますし、だからいろいろ着合わせて楽しめる秋は楽しい、と。冬はドカンとアウター、コートで覆っちゃうからどちらかというと楽しくなさそうなのか。

 

ていうと春と秋が本当に服好きにとっては楽しい季節、ホント洋服を楽しめる季節って短いのねぇってことになる。

 

話がバラバラになってまいりました。

 

なんだか思うのが、ライトアウターで重ね着状態で冬突入し、少々の寒さは我慢してせっかく買ったライトアウターを着る、ってどうなの?という。いやもちろん自分が好きだったら、そうしたいと思ってすることになんの問題もない。そこらへんは自分で納得して選べばいい。

 

気になるのが、都会は電車とか、すぐ建物の中入るとかで、そんなに外歩かないから寒い日でも大丈夫、ってところ。そんなの人によるだろう、と。自分の言葉で、自分でそう思って言ってるのだろうか、誰かの受け売りなんだろうか。同じようなセリフを何人もの店員が口にしているので、なにか重ね着アウター用テンプレートなんかがあるのかな、ないのかな、どっちでもいいや。

 

都会でも外歩く人はいるだろうなとか、なんとなく外を歩く日があってもいいよね、って思う人もいるかもしれないな、などと、またとりとめのないことを思う日々であった。
そんな重ね着前提アウター、買うならビッグ、さらにビッグ。今の時期しか着れないビッグサイズに挑戦したいのはあなたですか?

 

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ビッグシルエットのアウターの裾がボワンッて広がってるの好きですか?
どんなビッグシルエットアウターも共通してボワンッって広がってますよね、好きですか?
来年も再来年も、その後も着れますか、裾ボワン。

 

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