メンズファッションにおいて、モッズコート(M-51)は定番のアウターになったといえるでしょう。
毎年のように各ブランドからリリースされるのですが、秋冬に限らず春夏の時期にも登場します。また、N-3Bと同じくミリタリーの流行に左右されずに店に並びます。
テレビ番組やタレントの影響で、どこかネガティブイメージもついて回るのですが、それでも廃っていくことなく人気は継続していますね。
quote:http://img5.zozo.jp
他のアウター類と比べて造りが複雑でない分作りやすいのでしょうか。どちらかというとシンプルに羽織るのがカッコイイ感じの服です。
そしてまた、ブランドによっては独自のデザインを入れやすいアイテムなのかもしれません。モッズコート(M-51)という名前がついていても、らしいのはフィッシュテールだけで、その他は別のコートみたいなのも見かけます。
フィッシュテールという言葉が出てきたので先に書いておきますと、モッズコート(M-51)の特徴は後ろの裾にあります。
フィッシュテール
この独特の形状をフィッシュテールと呼びます。
他にモッズコート(M-51)の特徴としては
- ポケットは前面に二つのフラップポケットだけ
- ドローコードが目立つ
といったところでしょうか。
モッズコート(M-51)を簡単に説明しますと、1950年代にアメリカ軍で採用され、戦闘服の上から羽織るパーカとして使われていたもので、モッズパーカとも呼ばれています。ロンドンのモッズたちがスーツの汚れを防ぐために着用したことから「モッズコート」と呼ばれるようになりました。
ファッションの世界ではミリタリーコート=モッズコートといった扱いをされることもあるようです。先ほどの「モッズコート」という名称だけど別のコートみたいな商品は、このようにミリタリーコートと混同してしまったメーカーやデザイナーによるものかもしれませんね。
モッズコート(M-51)といえば有名なのが、HOUSTON(ヒューストン)のものです。
HOUSTON(ヒューストン)のモッズコート
モッズコート(M-51)の本来の形はこの製品を見ればわかるといえるでしょう。
モッズコートは定番になるだけあって、パッと見てカッコイイ印象がありますね。そしてざっくりとラフに羽織れるイメージがあり、気楽に使えそうに思います。ショップでもなんとなく気になるアイテムですね。
ただ、人によっては、フィッシュテールの好みなどの違いがあるかもしれません。ポケットも通常は外に2つだけなので、収納面でもあまり良いとはいえません。
このように着こなしとか使い勝手に疑問を持ってしまうこともあるのがモッズコート(M-51)なのです。
しかし、それでも、多くの人が一度は試してみたいコートといえるのじゃないでしょうか。はっきりした理由はわかりませんが、おそらくミリタリーらしさとスマートさが同居したような見かけのせいなのかもしれません。
2015年秋冬シーズンはミリタリーファッションがブームになっていることもあり、モッズコート(M-51)もより一層注目されることになるでしょう。
では、モッズコート(M-51)の着こなしについてみていきましょう。
N-3Bのところでも書きましたが、ミリタリーコートは本来オシャレなどとは関係のないところに位置するものです。なので多少野暮ったいとかモッサリした感じになるのは当たり前で、それを徹底的に嫌ってしまうことは、モッズコート(M-51)を着用する意味自体なくなってしまうことになります。
そういうものだとわかった上で、スッキリした見せ方を工夫してみるとか、オシャレっぽさを出すやり方がないかを模索してみるのがよいでしょう。
モッズコート(M-51)着こなし その1
quote:http://otokomaeken.com
モッズコート(M-51)のコーデといえば、このような雰囲気の写真が多くなりますね。
こちらジーンズはスキニーで合わせています。モッズコート(M-51)のようなボリュームのあるコートには、細身のパンツというのがオシャレの鉄則とも言われます。それと少し存在感のあるブーツでまとめています。
これでももちろんいいですし、ジーンズの色を黒にすればもっと引き締まって見えますね。インディゴデニムはアメカジアイテムの象徴であり、ミリタリーと合わせるとそのままアメカジスタイルとなって特にミックス要素は出てきません。同じスキニーでも黒スキニーにすると、少しフォーマル的な要素が入るのでスッキリ感を多少とも感じさせることが出来るでしょう。
またブーツについても、ソールが目立たない革靴にすれば少しはスタイリッシュさも感じるスタイルとなると思います。
モッズコート(M-51)着こなし その2
こちら、黒のスリムパンツでのコーデです。足首を見せて、スマートなスニーカーという足元。素肌を見せて軽さを出すことで、モッズコート(M-51)の重みを緩和する効果がありますね。
そしてコート以外のアイテムを見てもらいたいのですが、全然ミリタリーっぽいものがありませんね。アメカジっぽいものすらありません。
細身の黒パン、薄いスニーカー、シャツにニットといったもので、これにブレザーを着てなんの違和感もないという組み合わせです。
こういったミリタリーやカジュアルとは異なる要素で構成された服装に、ミリタリーアイテムを持ってくるのが、いわゆるミリタリーミックススタイルであり、ミックススタイルがあって初めて服装にこなれ感が出てくるということです。
「モッズコート(M-51)だからジーンズとかが合いますよ」とは、よく聞きよく目にする表現です。別に合わないことはありません。しかし「何故か自分の服装が野暮ったく感じる」と悩む人の多くも、そのような格好をしていたりします。
そんな場合はジーンズを黒のスリムパンツに変えてみたり、この写真のようにシャツを用いるとか、ニットにしても柄物ではなく落ち着いた無地のものにしてみると印象が変わるでしょう。
キレイめスタイルやスーツスタイルといった格好に合わせる方法は、モッズコート(M-51)の着こなしのオススメでもあります。
モッズコート(M-51)着こなし その3
モッズコート(M-51)をオシャレっぽく着こなすには、黒のモッズコートを選ぶのが一番でしょう。他のミリタリージャケットでも同様ですが、カーキのコートはまんまミリタリーなので上手く着こなすのはなかなか厳しい面があるのです。
その点黒ならば締まって見えるとともにモードっぽいスタイルも作りやすいです。ファッション性を意識してモッズコート(M-51)を展開してるブランドの多くは、ブラックも用意しています。
写真では黒のモッズコート(M-51)はタイト目につくられていますね。これに黒のスリムパンツの黒のスニーカーを合わせています。
その1と似たようなシルエットですが、色が違うだけで印象が大きく変わっています。スタイリッシュに見せたいばあいは断然ブラックのモッズコート(M-51)がオススメです。
モッズコート(M-51)の場合はリリースするブランドに寄って、形がかなり崩されたり、装飾が施されたりして、モッズコート(M-51)という一つのカテゴリーとして語ることはし難い状態ではあります。ここではオーソドックスなモッズコート(M-51)の形をしたものに絞って取り上げてみました。
主張の強いアウターですので、他は出来るだけシンプルにした方がバランスは取れます。モノトーン、無地のもの、柄があっても単色のものといったことを気にかけて合わせるようにしたいものです。
それではまた。
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