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メンズファッションアウターの定番M-65の着こなし

 メンズ定番の服M-65

メンズファッションにおける秋冬のアウターを語る上で欠かすことのできない存在がM65ジャケットです。男らしさ、ワイルドさ、力強さといった存在感のある服であり、メンズアウターの定番として親しまれてきましたが、ここ数年は市場であまり見かけなくなっていました。長く人気が続きすぎて飽きられてきた面もあったと思うのですが、今年2015年のミリタリーブームによりまたその人気が再燃しつつあるようです。

 

メンズアウター定番の形ですね

 

M65の特徴は前面の4つのポケット、エポーレット、フードが収納された立襟、防寒と手の保護を目的とした折り込み仕様の袖口などですが、これをベースにして幾つもの製品が作られてきました。原型に忠実なものから自由に変更を加えたものまで様々で、特に意識せずともM65タイプの服をよく着ていたという人も多いでしょう。

  

折り込んでも使える手を保護する仕様の袖口

 

特徴的な立襟、ジップ内にはフード収納

 

完成度が高い服

1965年にアメリカ軍に採用されたモデルということでM-65と呼ばれるようになったというこのタイプのフィールドジャケットは、M-43やM-51のスタイルと機能を継承したモデルとなっており、その後の戦闘服に多大な影響を与えています。M-65に似たデザインの戦闘服の採用が数多くみられ、また各部のディテールがM-65を参考にしたであろうと思われる服も存在します。つまりそれだけ完成度の高い服であるといえますね。

 

wjkのM-65は毎年人気

 

その完成度はファッションアイテムとしてみた時にも有効であるといえるでしょう。確実にミッションをこなすための意味のある機能とデザインは、街着においても役立つ機能であるとともに必要であるデザインであるといえます。言い換えればカッコつけたデザインとは異なるわけで、だからこそたくさんの人がM-65に対して使いやすいイメージを抱くのだと思います。

 

ミリタリーで有名なALPHA別注品

 

そして、

4つポケットがある便利さ

カチッとしたシルエットがカッコ良さそう

襟が立っているので首元までしっかり防寒できる

といったメリットのあるアイテムは他になかなか無いものであり、一旦M65タイプのアウターを着ると他の種類の服を使う気がしなくなったりするものです。

 

 M-65の着こなし

 M-65の着こなしですが、実はM-65のコーデで特別オシャレと思えるものには中々出会いません。

 

何故でしょう。まずM-65のシルエット、デザイン、中でも特徴的な立襟がファーマルライクなキッチリした印象をもたらすのですが、そのため同じミリタリーアイテムでありながら、MA-1やモッズコートのようなラフでカジュアルなものではなく、オンスタイル的なイメージが感じられるのです。そして、しっかりと完成されたデザインが主張しているのがM-65です。

 

ということは、M-65自体をキッチリしたアイテムとカジュアルアイテムのどちらにもとることが出来ることになります。。そのため、カジュアルなトップスにスラックスとか、テーラードジャケットにデニムを合わせるといったミックススタイルの手法が通じないアイテムだといえるのです。普通にオシャレに持っていく方法が使えないということですね。

 

スナップなどを見ても、ジーンズ、スラックスどちらに合わせていても、普通の格好に見えます。特にかっこ良くも感じないがかっこ悪くもないということなのですが、そんな中でいくつか着こなしを紹介してみましょう。

 

 

その1

 

M-65のコーデでは上で書いたように、インディゴデニムもスラックスもあまり代わり映えしない格好になり、面白みに欠けます。多少のフォーマル感やミックスではどうしようもないほどM-65の完成度は強固なのです。さすが軍服の最高傑作と評されるだけのことはありますね。

 

こんな時には少し変わったアイテムを使うのも一つの手段です。「こんなのどうやって合わすんだ?」という変テコなものが、M-65の完成された雰囲気を和らげることもあります。「ミックススタイルがおしゃれの基本」の記事でも語った、オシャレ効果の一つである意外性ですね。

 

ここではモンペみたいなハンパ丈サルエル風パンツを使っています。M-65を着てこんなものを穿く状況は普通ありません。しかもインナーはダルいカットソーで靴下も履かずにもうユルユルです。

 これがM-65のカッチリ感を崩すことに成功していますね。

 

さらに見ていくと、パンツは柄入りなので目立ちます。M-65に対抗するために目立つアイテムを使うのです。ゆるいシルエットの存在をしっかりアピールします。

 

この写真でM-65を脱いだらどうなるでしょう。ミリタリーとは全く違うスタイルどころか、寝間着のまま外に出てきたみたいになってしまいそうです。

「あ、このままじゃいけない」と思って、慌てて手近にあったアウターを引っかけて外に出てきた姿がこのコーデです。

 

つまり、M-65を着こなすのではなく、先にM-65以外でスタイルを作ってしまうのです。この場合は、出来るだけカッチリ感を削いだスタイル、ユルユル感たっぷりのスタイルにします。

そのスタイルを作った後に、M-65を持ってきて調整するという方法ですね。

M-65以外は徹底してユルくするのがポイントです。

 

 

その2

 こちらカスタムアートワークを施したM-65に黒スキニーを合わせたスタイルです。万能アイテムである黒スキニーですから、普通にまとまっていますね。ただ、それ以上のオシャレ感とか目を引く要素というものは、黒スキニーであっても出しにくいのがわかります。

 

同じことを繰り返してしまいますが、完璧すぎるアイテムなのでオシャレをする幅がないとも言えます。

 

もちろんこのコーデは何も問題無いスタイルであり、私もこのような格好で歩いたりすると思います。「オシャレじゃなかったらサマにならない」というわけではありませんので。

まあいえば、M-65というのはそれだけ無難なアイテムであるということであり、誰がどう着てもサマになるという、とても便利なアイテムでもあるわけですね。

 

 

 その3

 

こちら私のお気にいりのスタイリングです。M-65の着こなし方として非常に参考になりますね。

 

その1と同様、ルーズなシルエットのボトムスでM-65を着崩すパターンです。

インディゴデニムの裾をロールアップしてルーズ過ぎない形にして、インナーはヘンリーネックを使用。

 

クルーネックともVネックとも異なる雰囲気の出せるヘンリーネックは、大人っぽい印象でもあり首元に視線を集める効果があるのですが、このコーデではインナーに注意を向けさせることでM-65のカッチリ感をぼやけさせる働きもします。

 

そしてその1と異なる点ですが、このコーデの場合はここでM-65を脱ぎ捨てたとしても、そのまま街を歩ける格好ですね。その1だと銭湯ぐらいしか行くところがありません。戦闘服から銭湯服へ・・・

 

M-65に対抗するためのユルさをしっかり作りながら、そのユルい格好もイケてるのがこのコーデの良い所です。一つのアイテムのための着こなしに留まらないで、さらに一歩進んだレベルのコーデが組めるようになったら楽しいでしょうね。

 

 

その4

 

 一応M65の基本的なスタイルについても述べておきましょう。

オリーブのM-65にインディゴデニムというカジュアル感全開のスタイルです。カラブロ2では基本ミックススタイルを推奨しているので、こういった組み合わせは基本よろしくないというスタンスなのですが、M-65に関してはこういったものでも別段問題ないように感じます。

 

というか、またもや繰り返しになりますが、

   着方によって変化をつけにくい

          ↓

   どう着ても印象は変わらない、つまり何を合わせても同じ印象

          ↓

   スラックスでもジーンズでも印象は変わりにくい

          ↓

   カジュアル同士でも野暮ったくなりにくい

ということになるのですね。

 

本当に便利なアイテムです。メンズの定番であり続けた理由がわかりますし、M-65を手本にしてデザインされたアイテムの数の多さも頷けますね。

 

もちろんこのコーデはそういったM-65の特徴に頼ることなく、しっかりとスタイリングされてはいます。

ジーンズのロールアップで裾はすっきりと見せ、モンクシューズでキッチリとまとめていますし、インナーには黒のニットというように、キレイめなスタイルにきちんとまとめています。

 

このあたり、その3と同様にM-65を脱いでもイケてるスタイルが作れているわけです。

 

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定番、最高傑作、完成されたデザイン・・・、M-65を評する言葉はこのような賛辞であふれています。それはミリタリーアイテムとしてだけではなく、単にファッションアイテムという観点からみても同様の評価を得ています。

 

 ポケットの数が多く便利

 首元までしっかり保護するスタンドカラーのおかげで防寒性もピカ一

 収納式フードによりフード嫌いの人も使える

 シルエットがきちっとしてるので、締まってみえる

といったように、服としての使いやすさと着こなしとしての使いやすさを同時に満たすアイテムはそうはありません。

同じミリタリーアイテムでありながらN-3BやMA-1などとは異なるポジションにあるような気がするのは、こういった理由があるからなのだと思います。

 

2015年秋冬シーズンより復活の兆しを見せていますが、これが2016年以降どのように推移していくか注目していきたいですね。

 

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