フライトジャケットは温度域で覚える
メンズファッションのトレンドとしていつでも名前が挙がるのがミリタリーとデニムというのがここ最近の傾向。そのミリタリーの中で今回はフライトジャケットに注目しましょう。
スマートミリタリーでフライトジャケットを爽やかに着こなす
pic via alpha
ミリタリーものの中でも安定した人気を誇るフライトジャケット。フライトジャケットはその名の通り飛行士のための服。飛行機の進化と社会情勢などに伴い、デザインや素材などが変化してきました。その度に名称も変わることから種類が増えてきたのですが、慣れない人にとってはその種類の多さに戸惑い、購入するにもフライトジャケットの何を選べばいいのか分かりにくいこともあるでしょう。
そこで思ったんですが、温度域を軸にすれば分かりやすいんじゃないかなと。多分いろんな覚え方があると思うんですが、ていうか興味があれば人それぞれ勝手に覚えるものかもしれませんし、ここで私がとやかく語ることでもないんでしょうけど、まあなんとなく温度域で考えるようにしたら意外と分かりやすかったので、ご提案したいなと。
ということで早速ですが、アメリカ軍ではフライトジャケットを適応する温度域によって3つに分けているんですね。
ライトゾーン 30℃ ~ 10℃
インターミディエイトゾーン 10℃ ~ -10℃
ヘヴィーゾーン -10℃ ~ -30℃
というように。
で、フライトジャケットで最も有名なMA-1はインターミディエイトゾーンに属します。またこちらもよく知られているN-3Bはヘヴィーゾーンに属しています。
まずはこのMA-1とN-3Bの温度域を覚えてしまいましょうよ。
・・・ていうかフライトジャケットといっても、ミリタリーショップではなく一般の服屋さんで展開しているものって、MA-1かN-3Bぐらいしかないんじゃないの?ってことなんですけど。
ブランドによってはN-2Bという、N-3Bをショート丈にした形のものをリリースしていたりしますが、例えばB-10とかL-2なんてのも滅多に見ないのかもしれません。
かといって、ここでMA-1とN-3B覚えておしまいってのも味気ないことでもありますし、もう少しだけメモがてら語ることにさせて頂きましょう。
では、先ほどの温度域に適合するモデル名を加えて
ライトゾーン 30℃ ~ 10℃
適合モデル:A-1 → A-2 → L-2 → L-2A → L-2B
インターミディエイトゾーン 10℃ ~ -10℃
適合モデル:B-6 → B10 → B15A → MA-1
ヘヴィーゾーン -10℃ ~ -30℃
適合モデル:B-3 → B-9 → N-3B/N-2B
ライトゾーンなら、A-1から始まってL-2Bへと変遷。
インターミディエイトゾーンなら、B-6からMA-1へ。
ヘヴィーゾーンなら、B-3からN-3B/N-2Bへと移り変わる。
もちろんこの他にもモデルはありますが、まずは上記の名前を覚えてしまうと大分分かりやすくなるでしょう。
《ライトゾーン》
アメカジ定番ジャケットでもあるA-2はライトゾーン
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L-2Bはザ・ミリタリー色なセージグリーン採用
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《インターミディエイトゾーン》
このB~⑽より素材がレザーから綿に移行となる。タイトなシルエットでファンも多い
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飛行機の進化等に伴い改良を繰り返すことになるB~15シリーズ。こちら希少なB-15B。フロントジッパーが右寄りになっている
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1950年代から採用された、フライトジャケットの傑作とされるMA-1。裏地が何故オレンジなのかはもうご存知ですよね
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《ヘヴィーゾーン》
1930年代、実用的な初期のフライトジャケットが登場。こちらB-3は厚手のシープスキンで存在感も申し分なし
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超有名アウターN-3Bと同時期に開発されたのが、このN-2B。パイロット用なので短い着丈と、左右に分割できるフードが特徴
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そして今やミリタリーだけでなく一般ファッションウェアとしても広く認識されているN-3B
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豊富なバリエーションを持つフライトジャケットですが、そこには理由があり、必然性があり、ストーリーがあるのです。それぞれの温度域で展開されるストーリーを紐解くのもミリタリーの楽しみだと言えますね。
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形が似ているとされるMA-1とL-2も、その違いは着用温度域にあることから使われている素材や防寒性能に差があると推測できますね。ただ、現実にファッションとして売られている場合、外観上のデザインのみを模してMA-1とかL-2とか名付ける場合もあるでしょうから、必ずしもMA-1と称される製品がL-2として店頭に出ているものよりも暖かいかどうかは別ということになります。
以上、フライトジャケットの覚え方についてでした。それでは、また。
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