オーバーサイズ、ワイドシルエットがトレンドとなって久しいこの頃、そんなサイズ感にも慣れた後は、さらに踏み込んでわざとサイズアップなんかを試してみたりという段階に入り始めたという人もおられることでしょう。
普段Mサイズの人が、Lサイズに止まらずさらにXL、何ならXXLや3XLに挑む姿勢も良いじゃありませんか。広がるファッションの可能性ですよね。
そんな風に大きなサイズに慣れていったとしても、「これはちょっとデカすぎ」ってアイテムに出くわすことってないでしょうか。
昨今オンラインショップのアイテム紹介にも”身幅を広めに取って”、”ゆとりあるサイジングで”といった文言が目立つようになりましたが、そのような説明を見たときには大体のサイズ感などがイメージできるものです。
そして多くの場合はそれに違わず、ちょっとゆるい感じだったり、もう少しダボっとした感じだったり、何れにしてもそれほど予想とは違わないものです。
ところが、中には大幅に想像を超えてしまうサイジングで作られたものが存在します。後ろがビローンとまるで”だらしなく”伸びて・・・。いや決して”だらしなく”ではないでしょう。私が見慣れていないだけだし、オシャレに着こなせる人は立派にオシャレを成立させるはずだし、多分そのような人に向けたアイテムなのでしょう。
しかし、何だか誰にでも着こなせるような感じで普通に店頭に並べられたアイテム。他の普通?のサイジングのものと同列に置かれたそのアイテム。しかしその実態は極端なオーバーサイズ。
今のオーバーサイズブームでなくてもオーバーなサイジングで作られているのでしょうね、こういったアイテムって。よっぽど世の中タイト一辺倒でない限りは、いやそんなタイト全盛であったとしてもやっぱり存在しているのかも。
ここが分かれ目。適度にトレンドを取り入れる着こなしを求める向きには、かなり抵抗のあるオーバー過ぎるこのアイテムは、これを着た時点でオシャレになるために着ているんだと宣言しているようなものじゃないかしら、と。
これだけでかいアイテムに対して、服に興味ないけどサラッと着てるだけな服だとはどうにも見られないであろうと、そういう風に思うのです。
だから、このでかいアイテムを着る覚悟はあるのか、と自分に問いかけてみる。そんな大げさな、と思うでしょうか。でも実際多くの人が買ったものの一度も着ない服というのを持っている。店で試着した段階では、こんなのもアリかな、と思って買っちゃったという服を。
試着の段階で、これは無いわ、と思う服を、買って帰って家で着るなんて奇跡は起こらない。
このワイドなトレンド。まさにそのトレンドを体現するにふさわしいこのオーバー過ぎるサイジング。それを目の前にして、服好きと称するのならこのアイテムこそ着るべきではないのか、と。何を躊躇しているのだと、そういう声が聞こえてくる。
しかし一方で、いや別に私オシャレアピールしたくて服に興味持ってるんじゃない、という意識もしっかり持たなくては。そう、いつかこのカラブロ2でも書いたでしょうか、メンズファッションのオシャレは自然体が一番なのだと。
オシャレしてます的なアピールは、服好きとはまた別の観点の物語。
そう考えると、今回は避けておこう。このアイテム、よく考えてみたらオシャレというよりオシャレ過ぎるサイズ感というのが正しいといえましょう。
でもこのワイドシルエットなトレンドがさらに進み、今日のこのビローンな服さえも普通に見える日が来たならば、その日こそ楽しませてもらおう、ビローンな風が奏でるドレープを。
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