MA-1、モッズコートといったミリタリーファッションを象徴するアイテムの動きには、例年にも増して激しさが感じられます。2015年はミリタリーが来るとさんざん言われてきたことではありますが、ここまで見事に予想が的中することも珍しいのではないでしょうか。
さらに、2015年人気の色という面で見ても、この秋冬からは特にカーキ、ブラウン、オリーブグリーンといったミリタリーアイテムによく使用されるカラーが上位に来ていることも、ミリタリー人気の飛躍的上昇を後押しする形になっていると想像できます。
そんな今、こちらもワードローブに加えてみたいと思い始めているのが、JUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)なのです。パッと見た感じは薄手のシャツジャケットのようなもので、お店でたまたま置いてるのを見て夏から秋にかけて使いやすそうに感じて手にとってみたのですが。
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元々ベトナム戦争で使用されていた戦闘服であるJUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)は、熱帯雨林特有の高温多湿の中でミッションを遂行するために作られた服であり、使われている生地はコットンポプリンという薄くて軽くて濡れてもすぐ乾く素材です。それ故、残暑が厳しい時期からの軽い羽織として活躍してくれそうなのです。
また、そういった背景や素材の情報とは別に、単に見た目からして軽快な印象であり、気分次第でサッと羽織れそうな使い勝手の良さを感じます。流行りのミリタリーを手軽に取り入れられそうに思えます。そして何となく、これを着こなせたら他人と差のつくオシャレ感が出せるんじゃないかという、淡い期待も抱かせてくれるのがこのJUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)なのです。
ディテール面では、斜めに取り付けられたマチありの立体的な胸ポケットは好みが分かれそうですが、ミリタリーものだと割りきってしまえば味となるでしょう。
サイズ感もミリタリーらしくゆったりしたものですが、今年のまさにゆったりトレンドの中では違和感もそれほど感じずに済むんじゃないでしょうか。人によっては、ワンサイズ下げたものを選んで着ることあると思いますが、この辺りは好みですね。
また、ミリタリーらしいオリーブ色が今年はとくにトレンド感がありますし、そのトレンドが去った後でも廃れることのない定番の色として使うことが出来ます。
さて、そんなJUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)ですが、M-65やMA-1などのように新作としてリリースされる例はかなり少ないので、基本的には古着かデッドストックで手に入れることになるでしょう。
ただ、古着で状態のよいものはすぐに売れてしまったり、デッドストックにしてもだんだんと数そのものが少なくなっているようです。なので興味のある人は、お店にあるのを見つけたらすぐさま確保しておきたいところです。
このように、軍物を扱う古着屋やミリタリーショップなどにも範囲を広げて探すことになるJUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)だけに、どちらかというとマニア向けといった面もあるようです。
しかしだからこそ、一般の服好きとは違った着こなしを楽しめるものであるとも言えるでしょう。
また、たまに新作でリリースされることもあるのですが、価格が高かったり、現代の素材を使って形だけファティーグジャケットのものだったりします。それはそれで違った魅力はあると思いますが、本来のJUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)を着る楽しみとは異なるものではあるでしょう。
まあこれも人それぞれの好みで楽しめばいいと思いますが。
JUNGLE FATIGUE JACKET をベースにした製品
例えばこちらワークやミリタリーアイテムをルーツとしたアイテム展開で、アメカジ好きには有名なCORONA社のアウターですが、ジャングルファティーグをベースにしているものの、高級素材であるBURBERRY社のバーバリーツイルを使用している、本来のものとは別物の製品となっています。
quote:https://www.google.co.jpファティーグをベースにデザインを施した製品
また、こちらもスタッズや刺繍でデザインを施したジャングルファティーグベースの製品であり、素材もジンバブエ コットン が売りとなっているものです。
JUNGLE FATIGUE JACKET(ジャングルファティーグジャケット)の着こなし
その1
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JUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)のコーデにおいて、インナーに白シャツもしくは白のカットソーが使われているケースが多いですね。ファティーグジャケットの持つ無骨さを中和する手段として、一番手っ取り早いのが白シャツ合わせということです。
これはミリタリーに限らずコテコテのアメカジアイテムなど、クセの強いアイテムの持つ要素を和らげてコーデに馴染ませるのによく使われる手法です。そのためにも白シャツはオシャレの必須アイテムといえるでしょう。
ボトムスもベージュで爽やかさを出し、革靴を合わせていることで、ファティーグジャケットの他は普通のキレイめスタイルになってますね。このようにミリタリーとキレイめのミックススタイルとすることで、ファティーグジャケットの胸の斜めポケットも小粋なアクセントのように感じられます。
その2
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こちらはファティーグジャケットの要素を、爽やかボーダーアイテムで中和しようというコーデですね。ミリタリーとマリン、ベクトルの異なるアイテム同士の融合はまさにミックスの極み。
ここでは落ち着いた色合いのパンツにグレーのスニーカーを持ってきています。その1のキレイめに対して、こちらはスポーティな軽快さによってミリタリー要素を中和する結果となっていますね。
その3
quote:http://chum1979.com
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こちらJUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)の魅力をわかりやすく伝えてくれるコーデです。軽快で気軽に羽織れそうな、そして何となくコーデに馴染んでくれそうな、そんな雰囲気のあるファティーグジャケットの実力が再確認できるようです。
まず、ファティーグジャケット以外を見てみましょう。
スウェットパンツに革靴、トップスにシャンブレーシャツと上品なニット。そしてなぜかボウタイといった出で立ち。これが下の写真の格好となるわけです。アイテム自体の組み合わせは特に問題なく、スウェットにシャツと革靴というスタイルもよくあるものなのですが、何かイマイチしっくりきません。
何故なのか、色合いなのか、と思ってみていたら、多分スウェットのシルエットにあるのかな、と思いました。チャンピオンのリバースウィーブに見られるダボッとしたシルエットですね。そのために、妙に全体が浮いた雰囲気になっているのです。これがテーパードシルエットならば、締まったコーデになっていたと思うのですが。
さて、このようにどこか納得いかないコーディネートに、ファティーグジャケットをプラスしたのが上の写真です。
どうでしょうか。ファティーグとスウェットだけでコーデの外枠をカチっと整える形になり、スウェットパンツのダボ付きも「そういうもの」として見えます。
ファティーグジャケット一つでこれほど印象が変わるのです。もしこれがテーラードジャケットならばどうなっているか想像してみてください。恐らくスウェットパンツのダボ付きは、そのままダボ付きとして存在し続けるでしょう。
ファティーグの無骨さとゆったり感という要素が、すっきりしないシルエットに対して影響を及ぼし、コーディネート全体で一つのスタイルにまとめてしまうのですね。
そしてそれはこちらの例だけでなく「どこか変だな」「どうも落ち着かない」といった他のコーデに対しても有効となる場合があるでしょうし、普通とは異なる少しひねったファッションに落ち着かせることもあるでしょう。
どこか素直でない服装を、独特のテイストで街着としてまとめ上げる不思議な力がJUNGLE FATIGUE JACKET (ジャングルファティーグジャケット)にはあるような気がします。
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